天野和敏『それなぁに』を特別価格で販売致します【アート静美洞】 | ||||||||||||||||
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天野和敏『それなぁに』 |
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<こびとの森
次のお休みの日には どんな楽しいことが待っているのだろうかと わくわくすることを忘れてしまった時のお姫さまへ ●「人のお腹を満たすのが仕事」 お姫さま、いかがお過ごしでしょう。 このあとも、お姫さまが美味しいお菓子をいただきながら素敵な時を過ごしていただけたら嬉しく思います。 さて、今回は「人のお腹を満たすのが仕事」というお話にお付き合いいただきたいと思います。 お姫さまのお屋敷には地球儀はございますか? 私は地球儀を愛用しております。地球儀は机の上に置いてあるのですが、一日に一回は地球儀を手で回すのが日課となっております。何の為に、そのようなことをするのかと申しますと、地球星の兄弟姉妹に祈りを捧げるためでございます。兄弟姉妹が一人残らず幸せを感じながら暮らせるように祈るのです。 地球儀を眺めますと、自分がいる町は広い地球星の中の、ほんのわずかな場所なのだということが感じられます。 それほど広大な地球星について学んでいきますと、地球上には充分な食料が確保でき、捨てるほど、あまっている地域と、一日に一度の食事もとることができずに死んでいく人たちがいる地域とがあることを知ることができます。 つまり地球上に全人類のお腹を満たすだけの食料が存在していないのではなく、数ヶ所に偏って集まってしまっているだけなのだということを知るのでございます。 この世に生を受け、最初に栄養を提供してくれるはずの母親から充分な栄養を受けることができず、離乳後も食料がないというのは、どれほど、かわいそうなことでしょう。せっかく生まれたのに、その瞬間から餓死を待つような人生を送る人がいるのですから、まずは少なくとも地球星の全員が心と身体を健康に保てるだけの食料を地球星全体に行き渡らせるべきでしょう。お腹がすいていては身体を動かすこともできないのです。 食料に恵まれている人たちの中で、食料の不足している人たちのことを親身になって考えることのできる人は多くはありません。なぜなら、食料を満たされたなら今度は住居や服、教育、楽しみなどに、お金も時間も掛けたいという欲求が生じるからです。 自分の住居や服や遊ぶ楽しみを削ってまで人の食料を確保しようとする人は本当に少ないのです。 逆の立場に立って考えてみれば、どうして見て見ぬふりをするのかと怒りが芽生えるほどの差があるのですが食料が満たされている人からすれば結局は人ごとだと思えてしまうのかもしれません。 人が、いかに他の人の苦しみに対して鈍感なのかがおわかりいただけることでしょう。 心が成熟していないので、目の前で飢えて死んでいく人の姿を見たりしない限り、自分も関わっていることとして捉えることができないのかもしれません。 そんな我が子たちの姿を、知りながらも天地創造の原則を守る為に、手を下したくても何もすることのできない私たちの天のお父様の思いは、食べることができない息子・娘たちのところにございます。 天のお父様が私たち人類の父母であることを思えば当然でしょう。 もっと楽しいおもちゃを欲しがる子供と、生死の境で食べ物を必死で求める子供とを比べてみれば、食べ物を求めている子供に食べ物を与えるのが先にすべきことであることは当然なのでございます。 お姫さま、私は、生活していく為に、いくつもの仕事をしています。 しかし、それらは、ある意味で趣味のようなものでございます。 自分や自分の家族を食べさせていくことくらいは、猿でもしております。 自分や自分の家族の為に仕事をすることなど、あたりまえのことだというのが私が父母から教わったことです。 お金を稼ぐことが仕事だと思っていたのですが、お金を投入して困難な人たちを救うということを私の人生ですべきだと教えられました。 天のお父様が願っていらっしゃる、本来、完成する予定であった世界を創造することが、今の私たちにとって最も価値のある仕事だと私は父母から教わったのです。 お金にならないことはボランティアとして本業の合間にするのが周囲の人々の常識でした。 しかし、それでは、だめだというのが私の育った家庭での考え方です。 「自分の家族をしっかりと養えない状態の中で、人に何をしてあげられるのか。」というのが恵まれている人たちの一般的な意見ではないでしょうか。それは正論のように思えます。しかし、私の父母は、そうは教えません。自分が飢えてでも相手に食べ物を差し出せる心を持つよう教えます。自分の分を自分で確保しておくのではなく、自分の分を困難な立場に立たされている人に差し出せば、自分の分は天のお父様が準備して下さるということを私の父母は知っているからです。 あなたに与えたお菓子を、もし、お腹をすかせた友人に全て与えたなら、私たちは、そのようなあなたに再びお菓子を与えるというのです。 さて、お姫さま、地球儀をご覧下さい。 そして、ぐるぐると回してみて下さい。 大きいと言えば大きいのですが、広大な宇宙を思えば本当に小さな地球星でございます。 そんな地球星の、こちらには、たくさんの食料が余っていて、あちらには、たくさんの食料が不足しているのです。 それならば、捨てるほど余っている食料を譲ること。そして、海を始めとする自然から、たくさんの食料を調達する術を教えること。たったそれだけのことをすれば良いのです。 ところでお姫さま、私たちのお父様は親ですから、子供たちが美味しい食べ物を食べて喜んでいるのをとがめることもなさいません。それは、とてもありがたいことでございます。 ですから、そんなお父様に感謝しつつ、お姫さまができることをなさって下さい。 では、このあとも楽しんで参りましょう。 ◆ 天野 和敏(Kazutoshi Amano) ◆ 1969 9月27日、静岡県藤枝市に生まれる。 1987 洋画研究所に通い、本格的に絵を習い始める。 1990 日本デザイナー学院(東京)卒業。 1995 アトリエ・サン・クルーにて初個展。 1996 由美画廊にて個展。 1998 GALLERY 55を開廊する。 2001 静岡グランシップ「アートフェスティバル静岡」に出店。 2002 「ART PARADISE」発行開始。 2003 「GALLERY 55」の名称を「天和美術館」に変更する。 天和美術館第一回常設展開催。 2004 天和美術館をホームページ上での運営に切り換える。 2005 芸術世紀フェスティバル2005に「ねずみ」を出品、優秀賞を受賞する。 『こびとの森』とは、天野和敏がその妻と二人で創作している物語です。 「こびとの森」には天上の世界からやってきた幼い天使のこびとちゃんたちが登場します。 天使たちの姿は人の目には見えませんが、神様の願いを受けて、いつも私たち人間が幸せになる方向へと 導くお手伝いをしているのです。 |
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