天野和敏『雲の上の白わんこ』を特別価格で販売致します【アート静美洞】 | ||||||||||||||||
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天野和敏『雲の上の白わんこ』 |
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【商品説明】
◎「雲の上の白わんこ その1」◎ この日もまた、こびとちゃんは白わんこに会いに来ました。天上の世界で、この白わんこは退屈な思いをしているようですから、こびとちゃんが訪ねていってお話をしたり、いろいろな本を読んであげたりするのです。 と言いましても、すべてのわんこが天上の世界で退屈しているというわけではありません。ほとんどのわんこは、ご主人よりも早く天上の世界にやってきます。けれども、天上の世界に来たわんこというものは、普通は地上のご主人を慕って会いに行くものなのです。 雲に乗って退屈な思いをしているのは、地上でご主人のいなかった、野良わんこか、ご主人とあまり仲の良くなかったわんこです。 それでも、野良わんこたちは、野良わんこ同士で集まって、こびとちゃんたちと仲良しになって遊ぶ子がほとんどですし、そのうちに天上で知り合ったやさしい人と幸せに暮らし始めるものなのです。それなのに、この白わんこは、野良わんこでもなさそうですから、きっとでご主人とあまり仲の良くなかったわんこなのだろうと思い、こびとちゃんは、これまでは、そのことを話題にはしませんでした。 こびとちゃんが、この白わんこのいる雲の上にやって来ますと、白わんこは言いました。 「こびとちゃん、今日も来てくれたんだね、ありがとう。今日は、どんなご本を読んでくれるの?」 「今日のは、“礼儀正しい おやつのいただき方”だよ。」 白わんこは、本の題名を知りますと、そんな本には興味がないというふうに目を閉じ、耳をふさぎ、あごを“ペタン”と雲の地面にくっつけました。それを見たこびとちゃんは言いました。 「きみは、ずいぶん退屈しているようで大変だね。ほうぼうへお散歩に行ったら楽しいのに。」 すると、白わんこは目を閉じたまま答えました。 「大変だよ。きみが難しそうなご本ばかり持ってくるから、おいら、余計に退屈で死にそうだよ。」 「心配しなくていいよ。きみは、それ以上は死なないから。いいかい、おいらが読んであげるから、ちゃんと聞くんだよ。」 そう言って、こびとちゃんは、“難しそうなご本”を読み始めました。白わんこは眠っているふうでしたけれど、目を閉じたまま、こびとちゃんの声を聞いていました。 せっかく読んでくれるので、聞いてあげなくては申し訳ないという思いがしたからです。 ◆天野 和敏(Kazutoshi Amano)◆ 1969 9月27日、静岡県藤枝市に生まれる。 1987 洋画研究所に通い、本格的に絵を習い始める。 1990 日本デザイナー学院(東京)卒業。 1995 アトリエ・サン・クルーにて初個展。 1996 由美画廊にて個展。 1998 GALLERY 55を開廊する。 2001 静岡グランシップ「アートフェスティバル静岡」に出店。 2002 「ART PARADISE」発行開始。 2003 「GALLERY 55」の名称を「天和美術館」に変更する。 天和美術館第一回常設展開催。 2004 天和美術館をホームページ上での運営に切り換える。 2005 芸術世紀フェスティバル2005に「ねずみ」を出品、優秀賞を受賞する。 |
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