天野和敏『昼下がりのピアノレッスン』を特別価格で販売致します【アート静美洞】 | ||||||||||||||||
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天野和敏『昼下がりのピアノレッスン』 |
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こびとの森
次のお休みの日には どんな楽しいことが待っているのだろうかと わくわくすることを忘れてしまった時のお姫さまへ ●「注意深く行動する」 お姫さま、いかがお過ごしでしょう。 今日もお姫さまが素敵な笑顔でいらっしゃることを希望致しております。 お姫さま、いつも心が安らかな状態、つまり「安心」している状態で日々を過ごしたいものですね。 しかし人は、ほんのわずかな時間で、その安心を失ってしまうことがございます。 例えば、自分の不注意で人に怪我をさせてしまったとしましょう。 怪我をさせられてしまった人は被害者、怪我をさせてしまった人は加害者と呼ばれております。 もし自分が加害者となってしまったとしたら被害者に対して何ができるのでしょうか。 もし被害者の怪我が、かすり傷程度であれば、しばらく時間をおけば治るでしょう。怪我をさせてしまったことを心から謝れば快く許してくれるかもしれません。しかし怪我が大きく、もし被害者の手足が一生、動かなくなってしまったとしたらどうでしょうか。 被害者となってしまった人は、もちろん、その家族も大きな苦しみを抱えることになってしまうことでしょう。手足が動かなければ、何をするにも周囲の人々が少なからず手を差し伸べる必要が出てくるからです。抱いていた夢の多くを諦めなくてはならないかもしれません。 普段どおりに街を歩いているだけでは見えないことが多いのですが、世の中には、そうした加害者や被害者となってしまった人たちが大勢いらっしゃいます。それぞれに家族もいるわけですから、相当な人数にのぼることでしょう。 被害者とその家族はもちろん、加害者とその家族も相当に心が苦しいはずです。 信心深い人であれば神様に対して、どうしてこれほど辛い思いをしなければならないのか問う方もいらっしゃることでしょう。 究極的には、ただ一つの言葉で表現するならば「愛で収拾する」しかございません。 大きな希望としましては、天上の世界で私たちのお父様は創造主としての愛と創造力で、どのような怪我も障害も治して下さるということでしょう。全知全能でいらっしゃる天のお父様には、できないことがないからでございます。しかし地上は地上。自分の一生を障害を抱えたまま、または、人に障害を負わせたまま過ごすのは大変な苦痛であることには変わりありません。 そんな時にこそ、私たちのお父様が、この地上生活において問題としているのは、いかに自由な身体で楽しく過ごしたかではなく、いかに愛を自由に授受できる自分になったかどうかであることを改めて思い起こす必要がございます。つまり愛の表現方法が限定されるのであって、愛がなくなってしまうわけではないということでございます。 いづれにしましても、お姫さま、私たちは被害者にも加害者にもならない方が少なくとも物理的には自由であることは間違いございません。ですから被害者にも加害者にもなる確率を下げる為に、さまざまなルールがあることをお忘れのないようにお願い致します。注意深く行動するという心掛けが大切だと言えるでしょう。 ところでお姫さま、今回のお手紙に添えた絵には、私が暮らす家に古くからあるピアノが描かれております。私の祖父は、この絵に描かれているピアノをよく弾いておりました。祖父はピアニストという一面を持っておりましたが、とてもそういうふうには見えませんでした。 普段から農作業をしたり、辺りの自然を散策しては、じっと静かに自然の中に身を置いて、ゆったり時を過ごしておりましたから、忙しく各地の会場で多くの観衆を前に演奏をしている人とは思えなかったのです。 私も、そんな祖父の真似をしてピアノを習いました。祖父に聞いてもらうこともありました。 祖父は、じっと静かに演奏を聴いてくれました。私が一通り弾き終えますと、祖父は穏やかに話し始めるのです。そのお話は、その時の私の演奏がどのようだったのかということです。 それから、どうすれば、もっと素晴らしい演奏ができるのかということでした。 しかし、そのアドバイスの多くは、一風変わったものだったのではないかと思います。 では祖父が、どんな話をしてくれたのかと申しますと、雨が降っている時に、魚たちは、雨が水面に落ちる音をどんなふうに感じているんだろうとか、木々の葉が風に揺られて擦れ合う音が、いかに素晴らしいかとか、耳に障害があって音の聴こえない人がいたら、どうやって楽しんでいただくのかとか、暗い夜の闇の音をだしてごらんとか、じゃあ今度は透き通った水の色の音は?とか、泣いている赤ちゃんがいるからピアノを弾いてあげて、など抽象的なことばかりです。 自然の音を手本にしなさいということだったと思うのです。 その祖父が目指していたのは、ピアノで人の心と身体の傷を癒すことでした。 心や身体に傷を負って不自由な人生を過ごしている人が、そのまま苦しみ続けているのが居たたまれない。どうすれば苦しみを癒してあげられるのか、川のせせらぎや鳥や虫たちの声に負けない音を出すということでした。 お姫さまの周りにも傷を負って苦しんでいらっしゃる方が大勢いらっしゃることでしょう。 お姫さまでしたら、どのように癒して差し上げますか?自分のことよりも先に考えなくてはいけないことでございます。私は祖父母からも父母からも、そう教わりました。 では、お姫さま、いつも安らかな心で過ごしてまいりましょう。 ◆ 天野 和敏(Kazutoshi Amano) ◆ 1969 9月27日、静岡県藤枝市に生まれる。 1987 洋画研究所に通い、本格的に絵を習い始める。 1990 日本デザイナー学院(東京)卒業。 1995 アトリエ・サン・クルーにて初個展。 1996 由美画廊にて個展。 1998 GALLERY 55を開廊する。 2001 静岡グランシップ「アートフェスティバル静岡」に出店。 2002 「ART PARADISE」発行開始。 2003 「GALLERY 55」の名称を「天和美術館」に変更する。 天和美術館第一回常設展開催。 2004 天和美術館をホームページ上での運営に切り換える。 2005 芸術世紀フェスティバル2005に「ねずみ」を出品、優秀賞を受賞する。 『こびとの森』とは、天野和敏がその妻と二人で創作している物語です。 「こびとの森」には天上の世界からやってきた幼い天使のこびとちゃんたちが登場します。 天使たちの姿は人の目には見えませんが、神様の願いを受けて、いつも私たち人間が幸せになる方向へと 導くお手伝いをしているのです。 |
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