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歌川広重『小田原(酒匂川)』

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画像2   
技法(種別)  
木版画 
額装サイズ
44×37cm
絵サイズ
30×19cm
新品 額付 用紙:越前生漉奉書・手摺り 復刻版
 
店頭価格 15,750円(税込)
販売価格 8,400円(税込)

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10・小田原(酒匂川)
 大磯から箱根の東麓小田原までは十六粁である。画題に「酒匂川」とある通り、小田原宿へ入るまえ、この川にかかる。橋はなく徒歩、肩車または蓮台で渡る。東海道にはいくつかの天然の難所はあるが、関所、橋のない川も道中にとっては一つの難所であったといえよう。しかしこれがまた、今日見ると旅の興趣をそそる面白さでもある。この絵で広重は酒匂川の川渡りの有様を俯瞰的に描いて、ひろびろとした大景観を見せている。正面には遠く駒ヶ岳をはじめ箱根の連山、その下に小田原城と宿場町の人家の屋根を望み、近景は川渡しの風景である。いま、おそらく大名の一行の渡河であろう。駕篭を蓮台にのせ、大勢の人足が任ぎ渡っている。また此方へ渡る旅人もいる。裸の川人足が川の向こうにたむろしている。こうした豆粒のような人物の小ささと、行手に連なる箱根の山の姿に自然と人力の対照が感じられるのも興味がある。昼下がりの時刻でもあろうか、遠山は逆光線で藍色に模湖とし、近い山波ほど色濃く、山ひだの描写には三角形の集積など幾分の洋画風の色彩を試みているのも、広重の若さと意欲と思われる。

 この図には異版が数種ある。広重の研究か故内田実氏は、初版といわれるもの以外はすべて広重作ではなく他の絵師の改竄であると断じているが一概にきめることには問題がある。川の手前の人物が川人足と三人、旅人が二人となり遠山の形が違っているものなどは、広重作の異版と思われる。

 小田原城は、明応四年(1495)北条早雲が居城としてここに定め、箱根の嶮をひかえて関東の守りの地として、その重を守った。東海道の宿場としても、城下町としても繁栄の地であった。





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