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歌川広重『平塚(縄手道)』

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技法(種別)  
木版画 
額装サイズ
44×37cm
絵サイズ
30×19cm
新品 額付 用紙:越前生漉奉書・手摺り 復刻版
 
店頭価格 15,750円(税込)
販売価格 8,400円(税込)

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8・平塚(縄手道)
 藤沢から十四粁で平塚である。このあたりは相模平野、街道も海近い平坦な路である。唐土カ原と呼ばれるのはこの絵のあたりであろう。唐土カ原と呼ばれながら撫子の花が咲くというおかしさを記したのが考標の女「更科日記」であるが、この日記が書かれたのには寛仁四年(1020)であった。画題は「縄手道」とある。道が平坦であるように、この絵は平坦であると評する人もあるが、この絵は平坦のようで平坦でない。広重はいくつかの焦点をはっきり意識して作り出している。第一は正面の高麗山の向こうにのぞく富士の姿である。川崎の絵にも富士は描かれているが、ここで見る富士は、いかにも街道が富士山へ近づいている感じを改めて感じさせる。何か初めての富士の姿に出合ったような感じである。その感じを抱かせるのは、この絵の夕暮れと思われる全体の色調の中にたった一つ三角に残された「白」が印象的だからである。第二に、夕暮れの藍と鼠の色調である。それは富士を生かしているばかりでなく、江戸へと急ぐ飛脚、カラ篭をかついで帰る篭かき二人、そして曲折した道の彼方に見えて旅僧と百姓の遠い姿、この五人の添景人物を生かしている。山の此方は暗く、西の方の空はまだ明るい。そうした夕方の景趣が完全にとらえているその巧みな色調は、この絵が平凡でないことを物語っている焦点である。街道に沿って生えているバラバラ松の配慮も画調に合った巧みさである。





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